OKIエンジニアリングは,非破壊で電子部品・基板の故障箇所を特定する「ロックイン赤外線発熱解析サービス」の印加電圧を±3000Vまで大幅に拡大し,10月15日より提供開始した(ニュースリリース)。
印加電圧を±3000Vに対応させたロックイン赤外線発熱解析の受託サービスは,国内で唯一となる。今回のサービス拡大により,高電圧下での故障状況の再現を求めるニーズに対応する。
パワー半導体は電気自動車・電車のインバーター装置や電子機器の電源装置等重要な部分に使用されている。最近ではエネルギー変換効率の良いSiCやGaN等新素材のパワー半導体が実用化され,さらに省エネルギー化が期待されることから,パワー半導体市場は急成長している。
同社はパワー半導体に関し電気特性評価,パワーサイクル試験,熱抵抗測定など,さまざまな評価解析に対応しており,発熱を利用した高精度,高感度な故障位置特定手法である「ロックイン赤外線発熱解析サービス」を2013年より提供してきた。
ただし,印加可能なバイアス電圧が±210Vであったため,それ以上の高圧時に漏れ電流が大きくなる故障モードのパワー半導体に対しては故障解析に必要な高電圧印加ができなっかった。
今回,同社はこの試験設備を改良・増設し,解析時の印加可能電圧をこれまでの±210Vから,日本で唯一のサービス提供レベルとなる±3000Vに拡大した。これにより,パワー半導体の高電圧下での微小リークなどの故障位置特定が可能となった。
さらに,これまで提供していたロックイン赤外線発熱解析とX線検査,電気的特性評価,パッケージの開封,着脱などの加工を総合的に行なう故障解析サービスシステムについても,印加電圧を同様に拡大し提供するとしている。