矢野経済研究所では2015年6月~9月,太陽電池メーカー,太陽光発電システム販売会社,システムインテグレーターなどを対象として,太陽電池モジュール世界市場に関する調査を実施した(ニュースリリース)。
その結果,2015年の太陽電池モジュール世界市場規模は,地球温暖化ガス排出規制等により導入が進み,モジュール供給量ベースで54,500MW(前年比25.4%増)に拡大すると予測した。
ただし,供給量ベースでは大きく拡大するものの,モジュール供給価格の急落によって,2015年の市場規模(金額ベース)の伸び率はその半分程の前年比11.2%増,1,199億ドルに留まると予測する。
太陽電池メーカーは,太陽電池の製造・販売事業における赤字体質から脱却するため,太陽電池を用いた新たなビジネスモデルとしてO&M(Operation & Maintenance)事業,電力小売事業など,太陽光発電システムからのビジネスモデル転換に注力している。
今後も中国や米国の他,東南アジア,インド,アフリカ,オセアニアなどの地域で太陽光発電システムの設置が増加し,太陽電池モジュール世界市場(モジュール供給量ベース)は,2015年から2025年まで年平均成長率が10.5%で成長し,2025年の同市場規模は147,510MW へ拡大すると予測する。
しかし,市場におけるモジュール供給価格は今後も下落し続け,金額ベースでの2015年から2025年までの年平均成長率は-4.2%となり,2025年の同市場規模(金額ベース)は782億ドルに留まるものと予測した。