サトー,英レーザー印刷製品の販売権を獲得

プリンターおよびサプライ品を扱うサトーの持株会社であるサトーホールディングスは,イギリスのDataLaseの株式を一部譲り受け,同社が開発した印刷技術インライン デジタル プリンティング(IDP)の日本を含むアジア・オセアニア市場における独占販売権を取得した(ニュースリリース)。

これに伴い2015年10月21日に,IDPの販売会社としてスペシャレースを設立した。

IDPは,特殊な発色顔料をコーティング剤にして塗布することで,さまざまな物を感熱素材に変えることのできる技術。コーティング剤を塗布した部分にレーザーマーカーで熱を加えることで商品にダイレクトに印刷ができ,従来の印刷方法やラベルと比較して印刷スピードとコスト面に優れるとする。

1秒に約80インチ(2032mm)の高速印刷はさまざまな分野の製造工場の工程スピードに対応することができる。レーザーマーカーは低消費電力に加え,インクの補充や消耗品の交換,部品の清掃などのメンテナンスが不要なため印刷のトータルコスト削減につながるという。

また,医薬品,食品および飲料等の各業界向けのアプリケーションを用意し,デジタル処理でひとつずつの商品に可変情報を印刷できる技術であり,必要なときに必要な分の製造を行なうことで商品の在庫を減らすことも可能となるとしている。

スペシャレースは今後,IDP技術を活用した新たなソリューションを開発し,サトーグループのネットワークを活かし日本を含むアジア・オセアニア市場へDataLaseが製造する感熱顔料の販売と,レーザーマーカー機器メーカーやインクメーカーと協業し,設備機器やコーティング剤も含めたトータルソリューションの提供を行ない,2020年に200億円の売上を目指す。