横浜国立大学の研究チームは,金属分子の電子構造の研究を行ない,多原子分子の電子状態・磁化・対称性を決めるための重要な規則を発見した(ニュースリリース)。
1925年にFriedrichHundによって発表された孤立原子内の磁化に対する経験則は,現代物理・化学・材料学の分野で基礎として有名で,全ての孤立原子の基底状態及び励起状態を決めることができる一般規則として知られている。
しかしながら,Hund則(フント則)の発見後,およそ90年間,原子2個以上の多原子分子について電子状態・磁化を決めるための規則は未知のままだった。今回の研究では,その90年間未知の規則を発見した。
研究では,世界最高精度の第一原理計算によってアルミニウムの二原子及び三原子分子の電子状態を明らかにした。このことにより,任意の元素に応用できる一般生の高い多原子系の電子構造及び磁化を決める規則を発見した。
この規則は,Hund員ljのように物理・化学・材料学の分野で基礎となることが期待されるものだとしている。
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