シャープと広島県立総合技術研究所農業技術センター(農技センター)は共同で,夜行性の蛾類(夜蛾類)による農作物被害の低減と,光による農作物の生育への悪影響の抑制を両立させた,電球形LED防蛾ランプを開発した(ニュースリリース)。来春に製品化,販売を目指す。
農作物に害をおよぼす夜蛾類を,農薬を使用せずに防除する方法として,黄色に発光する防蛾ランプの効果が認められている。しかし,従来の防蛾ランプは常時点灯する水銀灯や蛍光灯を用いており,キクやイチゴなど光に敏感な農作物の生育に悪影響を与えるため,使用できなかった。
開発した電球形LED防蛾ランプは,農技センターが保有するLED点滅光による防蛾照明技術と,シャープが保有するLEDの設計・製造および制御ノウハウを融合して実現した。LEDを光源に用いることで,ランプの長寿命化と低消費電力化を図るとともに,水銀灯や蛍光灯では実現が難しい点滅発光により,農作物の育成への悪影響を抑制する。