日立メディコ,軽量プローブの光トポグラフィ装置を発売

日立メディコは,被検者の頭部に装着するプローブを軽量化するとともに臨床研究を支援する機能を搭載した光トポグラフィ装置「ETG-4100」を,10月7日より日本国内で発売する(ニュースリリース)。価格は7,580万円(標準構成)。

光トポグラフィ検査は,2002年に脳神経外科領域における保険適用がされていたが,「問診による精神疾患の診断,精神症状の重症度評価の妥当性を検討できる客観的で補助的な診断・評価検査法」として日本精神神経学会から保険適用拡大が要望され,医療サービスの公定価格である診療報酬の2014年度改定より「抑うつ症状の鑑別診断補助」として精神科領域でも保険適用された。

精神科領域においても光トポグラフィ検査が普及することが期待されることから,同社は,臨床現場での操作性を向上させ,臨床研究をサポートする機能を搭載した新製品を開発した。

光トポグラフィ装置は,近赤外光を用いて,脳活動に伴う大脳皮質の血中ヘモグロビン濃度変化を計測することで,脳活動をリアルタイムで可視化する装置であり,1995年に日立製作所が世界に先駆けて技術を開発した。同社は,1998年から医療機器として,光トポグラフィ装置の販売を開始し,現在では北米,欧州,中国など10ヵ国以上の多くの施設で活用されている。

脳活動を可視化するfMRI(functional Magnetic Resonance Imaging: 機能的磁気共鳴画像法)では,MRI装置を利用するため検査時間が長く,検査空間も開口部に限られる。一方,光トポグラフィ装置は,近赤外光のセンサーを被検者の頭部に装着するため,座った状態で検査できるほか,検査時の身体拘束が苦手な方や多少の動きを伴う検査などにも使用されている。

光トポグラフィ検査では,近赤外光のセンサーであるプローブを被検者の頭部に装着する。装着時に被検者の心理的不安を高めないよう,プローブを適切な位置に,かつスムーズに装着することが求められる。そこで同社は今回,センサーを小型化することで従来機種に比べて約30%軽量化した新型プローブを開発した。

また,臨床研究向け機能の充実を図ったほか,ユーザフレンドリーなデザインの採用により,操作性を向上した。