浜ホト,量子効率を向上した科学計測用CMOSカメラを発売

浜松ホトニクスは,同社の科学計測用のデジタルCMOSカメラ「ORCA-Flash4.0 V2」をイメージセンサーチップから再構築し,量子効率を大幅に向上(従来品に比べ10%以上向上:600nm時)した(製品ページ)。価格は標準構成で1,944,000円(税込)。

10月1日から受注を開始し,国内外のライフサイエンス分野,半導体などインダストリー分野の研究者,検査メーカーなどに販売していく。

これまで,ライフサイエンスをはじめとする顕微鏡下での蛍光観察では,撮影対象に合わせてデジタルCCDカメラ,科学計測用CMOSカメラ,EM-CCDカメラ(高感度カメラ)等が用いられてきた。一般に微弱な(暗い)蛍光観察には,EM-CCDカメラを使用し,それ以外の蛍光観察全般には,デジタルCCDカメラ,科学計測用CMOSカメラを使用してきた。特に近年,比較的明るい蛍光観察では,トータル性能で優れた科学計測用CMOSカメラが多く用いられている。

「ORCA-Flash4.0 V2」は,感度,解像度,読み出し速度,ノイズ特性,ダイナミックレンジ等,そのどれもが優れた性能を実現し高感度で安定した観察を実現したことで,今までEM-CCDカメラでしか観察できなかった暗い蛍光観察にも使えるようになった。

今回,イメージセンサーから新しくして再構築したことで量子効率を大幅に(従来カメラと比較10%以上)向上。極微弱な蛍光から明るい蛍光まで幅広い領域の蛍光観察に対応する。量子効率を向上したことで,これまで以上に励起光パワーを軽減して細胞などのサンプルに対する低光毒性を実現でき,より長時間のライブセルイメージングが期待できる。

400万画素(2048(H)×2048(V))の高解像度でありながら,100 フレーム/秒(全画素)の高速読み出しを実現。また,サブアレイ読み出しを用いることで読み出しノイズ特性を犠牲にすることなく,最速25 655 フレーム/秒(2048(H)×8(V))までの高速化が可能。

新製品は,広い光量レベルを1台でカバー可能であるにも関わらず,EM-CCDカメラの約1/2の低価格を実現した。ライフサイエンス分野をはじめ,半導体観察・検査,X線シンチレータの読み出し等幅広い分野で利用できるとしている。