NEDOプロジェクトにおいて,鉄道総合技術研究所,クボテック,古河電気工業,ミラプロおよび山梨県企業局により研究が行なわれている,世界最大級の「次世代フライホイール蓄電システム」の実証施設が山梨県米倉山に完成した(ニュスリリース)。
フライホイール蓄電システムは,電力をフライホイール(弾み車)の回転エネルギーに変換して蓄えるもので,大電力を繰り返し出し入れすることが得意で長く使える蓄電システム。
今回完成した「次世代フライホイール蓄電システム」では,大径で重いフライホイールを,高速回転に耐えられるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)で製作し,さらに,イットリウム系線材と超電導バルク体による超電導磁気軸受を用いることにより,フライホイールを磁気浮上させ,高速かつ低損失で回転させることを可能にした。
今後,「エネルギーの地産地消」の実現に向け,再生可能エネルギーの導入を進めている山梨県の米倉山において,「次世代フライホイール蓄電システム」と太陽光発電を組み合わせた系統連系試験を行なう。
この試験では,日射量等の自然条件によって変動する太陽光の不安定な電力を,今回開発したフライホイール蓄電システムで安定した電力にして,電力系統に送ることにしており,それによって,再生可能エネルギーがより安定に導入されることが期待されるとしている。
関連記事「鉄道総研ら,太陽光発電の余剰電力の蓄電に応用可能な高温超電導マグネットの開発に成功」「東芝,太陽光と水素のエネルギー供給システムを稼働」「農研機構,太陽電池による放牧向け家畜飲水供給システムを開発」