パイオニアのレーザーディスクプレーヤー3機種,未来技術遺産に

パイオニアのレーザーディスク(LD)プレーヤー3機種が,国立科学博物館の2015年度「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)に登録された(ニュースリリース)。

同社は1979年に世界初の業務用LDプレーヤーを発売して以来,多くの業務用/家庭用LDプレーヤーを生産・販売し,2009年に生産・販売を終了するまで映画鑑賞やカラオケなどの用途で,多く使用されてきた。

国立科学博物館では,科学技術の発展を示す貴重な科学技術史資料や,国民生活,経済,社会,文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料の保存を図るとともに,科学技術を担ってきた方たちの経験を次世代に継承していくことを目的として,重要科学技術資料の登録制度を2008年度より実施しており,昨年度までに184件が技術遺産として登録されている。

今回選定された同社のLDプレーヤー「PR-7820」「LD-7000」「CLD-9000」は,後に生産された光ディスク関連製品の開発に大きく寄与したことが評価され,本年度の未来技術遺産に登録された。

「PR-7820」は,1979年に発売された世界初の業務用LDプレーヤー。業務用途に耐えうる安全性や信頼性を確保しつつ量産化されたモデル。北米市場に導入し,ランダムアクセス可能な高画質な動画再生機として使用された。

「LD-7000」は,1983年に発売された世界初の半導体レーザーを使用した家庭用LDプレーヤー。He-Neガスレーザーを用いていたそれ以前のLDプレーヤーに比べ,小型化・安定化・低コスト化を実現した。

「CLD-9000」は,1984年に発売された世界初のLD/CDコンパチブルプレーヤー。当時普及し始めたCDとの互換性を持つ同モデルの発売により,新しいメディアとの互換性をプレーヤー側で確保する考え方が業界で定着し,その後のDVD,ブルーレイディスク(BD)においても継承された。

LDプレーヤーの開発において培われた光技術は,それ以降に発売したDVDやブルーレイディスク(BD)プレーヤー/レコーダーなどの光ディスク製品だけでなく,カーエレクトロニクス製品など,さまざまな製品に活用されているほか,今後広がりが期待される自動運転分野や医療・健康機器分野に関連する当社の技術にも活かされているという。