オスラム,ウェアラブル向けLED脈拍センサを発売

独オスラムオプトセミコンダクターズは,スマートウォッチやフィットネス用アームバンドなどのフィットネストラッキング用に,脈拍数および血中酸素濃度の光学測定センサ「SFH7060」を発売した(ニュースリリース)。

優れた信号品質と低消費電力を実現しており,健康レベルを継続的にモニタリングするスマートウォッチやフィットネス用アームバンドなどウェアラブル機器に適している。

この製品は,同社が2014年秋に発表した光学式センサをさらに発展させたもの。機能は従来品と同様だが,消費電力と信号品質を改善した。緑色LED 3個,赤色LED 1個,赤外LED 1個,そしてエミッターから不透明バリアで光学的に隔離されたフォトダイオード1個を搭載している。

計測は肌への光の照射によって行なう。血液と周囲組織では光の吸収量は異なるので,各波長による吸収量を測定することで,脈拍数と血中酸素濃度を決定する。

緑色の光は手首での脈拍数測定に適している。同社最新の高効率素子技術に基づく,波長530nmの緑色LEDを採用。最適な駆動電流である20 mAのポイントでは特に効率的で,チップあたり電圧3.2Vで標準光出力3.4mWを実現している。従来製品と比較してより高い光出力により,信号品質に優れ,脈拍数測定がより安定する。また低消費電力のため,デバイスのバッテリー寿命が長くなる。

血中の酸素濃度は,赤色光(660nm)と赤外光(940nm)の吸収率の差から算出される。そのため測定品質は,フォトディテクターの信号対ノイズ比達成度および直線性に大きく依存する。搭載する受光面1.3mm x 1.3mmのフォトダイオードは,これらの要件を満たしている。

さらに2つのトランスミッターとフォトダイオードの距離が従来製品の場合よりも大きくなっている。すなわち,光はディテクターに反射する前により深く皮膚に浸透するため,より安定した信号と優れた信号対ノイズ比を実現する。

従来品と同様に,赤色光のトランスミッターは±3nmという非常に狭い範囲が特長。赤外および緑色LEDのスペクトル帯域は各30nm。この新センサーは,同社のフィットネストラッキング用製品ラインナップの最新製品となる。

これによって同社は,脈拍数測定用に設計された高効率ソリューションの脈拍数・血中酸素測定を組み合わせた極めて小型なセンサと,同じ機能性を大幅に向上させたやや大きめのバージョンを取り揃えたことになる。