自動車を巡る光関連市場動向
■自動運転システムは2018年頃に実用化
レベル3の自動運転システムでは,緊急時以外はドライバーが運転作業に介入しない。レベル2よりも技術的ハードルが高く,現状使われているレーダやカメラ(イメージセンサ)の他に広範囲の物体認識が可能なレーザスキャナ,車車間通信や路車間通信(V2X:Vehicle to X),3次元地図データ,法整備なども必要となる。
■レーザ照明・ディスプレイ関連製品世界市場,2040年に72~93兆円と予測―最新動向調査報告書刊行
2040年に72~93兆円規模になると予測している。2008年にリアプロ方式のレーザTVが製品化され,超小型のプロジェクタ,高輝度データプロジェクタ,さらにはヘッドアップディスプレイに波及。レーザヘッドライトや医療機器など高付加価値製品市場の伸びも今後は期待されている。
■2014年度光産業国内生産額,成長率1.5%の8兆5,916億円―光産業技術振興協会が発表
今回の調査結果で,生産額・出荷額ともに高い伸び率を示したのがレーザ加工機だ。自動車分野を中心とする設備投資が活発化していることで,CO2レーザ加工機や固体レーザ加工機が好調に推移。さらにファイバレーザは2013年度に比べて3倍に伸びている。
■2019年の光学デバイス世界市場,2013年比32.1%増の3兆409億円に
半導体デバイスではエリアイメージセンサがけん引し,今後も市場は拡大していくとみるが,デジタルスチルカメラ(DSC)やプリンタなどの最終製品の縮小と連動して画像処理LSIやリニアイメージセンサの縮小が続くことから伸びは鈍化すると考えている。車載向けのほか,監視向けなどの業務用途では全ての品目が堅調に拡大していくとみている。
■2025年の駐車支援システム世界市場規模,3,905億9,600万円に
サラウンドビューカメラシステムは高級車を中心に普及していき,特に欧州と米国の規制が始まる2016年と2018年に搭載台数が増加し,2020年においてはカメラシステム市場規模の45%に相当する973億9,400万円まで拡大すると予測する。
■車載カメラモジュールの世界市場,2025年に3,609億円に
欧州では,車線逸脱警報(LDW),車線維持支援(LKA)などのセンシング用カメラを使うシステムがEuroNCAPの評価基準に採用されることにより,需要の急拡大が予想される。また,サラウンドビュー搭載が日本,欧州のみならず,中国でも高級車種で進んでおり,2014年の市場は1,227億円を見込んでいる。
■レーザ市場,2020年には170億6,000万ドルに
レーザのアプリケーション市場は,高いペースで成長するとしている。レーザ技術およびレーザープロセッシングは,工業用途に広く使用されている。産業部門からの需要の高まりが,レーザ技術市場の成長を促している。
■車載向け視線入力機器市場,2030年には2013年比102倍となる1,020万台に
2020年代に入ると,視線検知モジュールの搭載率が上昇し,入力装置としての利用も始まるとみられるため,2030年の搭載車両の販売は1,020万台が予測される。日本では,居眠り防止機能の搭載が拡大し,搭載比率は3割を超えると予測。
■2025年の車載電装デバイス&コンポーネンツ世界市場,2013年比2.1倍の26兆5,650億円に
走行安全系は,ADAS(先進運転支援システム)の高い成長を軸に市場が拡大するとみられ,2025年には2013年比2.0倍の3兆8,642億円が予測される。
■2013年,車載ネットワーク用デバイス世界市場は2,192億円に
2020 年における車載ネットワーク用デバイスの世界市場規模は4,648 億円(メーカ出荷金額ベース)になると予測。2013 年から2020 年までの年平均成長率(CAGR)は11.3%となる。主な成長要因としては,新興国市場における車両1 台あたりのECUの搭載数量増加,各種センサデバイスのインタフェイスのデジタル出力化などが挙げられる。
■2013車載光学関連システム世界市場,2013年見込みは3兆9,844億円―富士キメラ総研が調査
2013年市場は前年比6.7%増の3兆9,844億円になると見込まれており,2022年には2012年比82.4%の6兆8,106億円になると予測。
■車載Ethernet世界市場,2020年には2億1,186万4,000ノードに
MOST から一部代替が期待される情報系システム用途の車載Ethernet 世界市場は,2018 年を起点に普及が拡大し,2020 年には5,194 万9 千ノードになると予測。
■eコクピット(HUDなどのインタフェースを搭載した自動車運転席)世界市場は2020年に1,000万台超に
2016年にeコクピットが欧州自動車メーカの純正品として製品化されることを想定し,2016年はメーカ出荷数量ベースで,115万4,000台,2020年には,1,000万台を超えるものと予測する。これは同年のカーナビとディスプレイオーディオ(DA)の合計の3,214万台の約1/3に達すると予測。
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