三菱化学とパイオニアは,有機EL照明として初のブルーライトレス塗布型有機EL照明モジュールを開発,8月1日よりサンプル出荷を開始する(ニュースリリース)。
ブルーライトとは,自然光や人工光源に含まれる波長380~495nmの光で,可視光線の中で最もエネルギーが強く,ほぼ減衰することなく眼の網膜に到達する。
このため,眼の疲れなどの原因になる,あるいは,就寝前に多量のブルーライトを浴びると睡眠を司るホルモンの分泌が抑制されるため,寝つきが悪くなったり,眠りが浅くなるなど“睡眠の質の低下”につながると言われている。
近年,ブルーライト成分を多く含む光源を採用したパソコンやスマートフォン等の使用時間が増えており,長時間浴びることへの注意喚起がなされている。
両社が開発したブルーライトレス有機EL照明モジュールは,有機ELパネルに青色素子を使用しておらず,光の中にごくわずかなブルーライト成分(同社有機EL照明モジュール3000Kタイプ比:1%未満)しか含んでいない。
外形92.4 mm×92.4mm,色温度1900K(ろうそく色タイプ)で,寝室等の照明や,医療現場での照明などのほか,光による損傷が懸念される文化財や絵画などの保管用照明にも適している。
両社は,2012年より有機EL照明モジュールの出荷を開始し,2014年には製造コストを抑えた発光層塗布型有機EL照明モジュールの量産を開始した。面発光で薄型・軽量という特長をもつ有機EL照明のラインアップに,ブルーライトレスタイプが加わることで,さらに幅広い用途提案が可能になるとしている。