住友電気工業(住友電工)は,愛知県のケーブルテレビ局であるハートネットワークに10G-EPONシステムを納入し,国内では初となる,10Gb/s通信サービスの商用化に向けたネットワーク構築を実施する(ニュースリリース)。
ハートネットワークはこれまで光ファイバケーブルと同軸ケーブルを使用したHFCないしFTTCでのネットワーク構築を行なっており,行政や企業向け等を除く一般顧客向けの自社インフラ網でのFTTHサービスは,この10Gネットワークの提供が初めてとなる。
10G-EPONシステムは局側装置「FSU7100」に10G-EPON用回線カードを搭載し,加入者側端末と接続することにより,10Gb/sの通信サービスを実現する。
住友電工の10G-EPONシステムの強みは以下の3つ。
1. CATV用FTTHで主流となりつつあるEPONを採用
主要な北米ケーブルテレビ局が,光アクセス技術としてEPONの採用を決定してサービスを開始するとともに,米国のケーブルテレビ技術標準化団体でもEPON製品の認定が行なわれるなど,EPONはCATV用FTTHのメインストリームとなりつつある。住友電工の10G-EPON機器は,北米の大手ケーブルテレビに採用され,家庭向けやビジネス向け商用サービスで実運用されている。
2. 国内ユーザの厳しい品質要件,セキュリティ要件に対応
住友電工は1GのEPONでは国内3,000万回線の出荷実績を有し,国内ユーザの厳しい品質要求,セキュリティ要件に長年応えてきた。これが10G-EPONの製品開発にも活かされている。
3. 信頼性の高い製品開発
住友電工製10G-EPON局側装置には,全世界で高いシェアを持つ自社の光デバイス・モジュール,自社開発の高性能で頑強なネットワークシステム技術が搭載されている。部材開発から一貫して行なうことで,優れた信頼性,保守性を実現している。
ハートネットワークは今後,放送の本格的なIP化や4K放送への対応を見据え,地域の一般顧客,行政,企業向けサービスの高度化を図る。
住友電工はケーブルテレビ事業者に対して,いち早く4Kサービスを提供できるよう,4Kデジタルヘッドエンド設備から4K対応STBまでのEnd-To-Endでのトータルソリューションの提供,標準化活動への参画等を推進していくとしている。