日本原子力研究開発機構（原研），日立GEニュークリア・エナジー（日立GE），スギノマシンは，平成27年7月15日付けで東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業における「炉内構造物及び燃料デブリの取り出し工程」に適用可能なレーザ加工法に関する技術開発について共同研究契約を締結した（ニュースリリース）。

これにより，3社は原子力機構が楢葉町に整備中の楢葉遠隔技術開発センターの今後の活用等も念頭に置きつつ，同原子力発電所の廃炉作業に向けた研究協力を開始する。

原研は，新型転換炉「ふげん」の廃止措置のため，水中環境下において厚板鋼材のレーザ切断技術開発等を行なってきた。さらに，昨年度からこに技術を活用して，東京電力株式会社福島第一原子力発電所（1F）の廃炉に向け，金属とセラミックスの混合体についてレーザ技術を用いた基礎的な溶断・破砕実験を開始している。

加えて，現在，楢葉町に整備中の楢葉遠隔技術開発センター（モックアップ試験施設）において，廃炉のための「レーザ技術を用いた燃料デブリ取り出しに係る実証試験」の実施についても検討を開始した。

日立GEは，沸騰水型軽水炉（BWR）および改良型沸騰水型軽水炉（ABWR）の建設とその保守保全等に豊富な経験を有し，現在，1Fの廃炉・除染に向けた技術開発に取り組んでいる。

スギノマシンは，これまでに一般原子炉の保守保全を目的とした装置の設計・製作を行なってきており，放射線環境下においても動作可能な遠隔操作機器・装置の開発に取り組んでいる。

今回3社は，1Fの廃炉作業におけるレーザ技術の適用範囲を拡大すべく，技術的基礎課題を解決するための相互補完な共同研究を実施することに同意し，共同研究契約を締結した。

この契約における主な研究内容は以下の通り。
（1）新型工法の開発
（2）炉内環境切断工法の開発
（3）厚板鋼材切断工法の開発

期間は平成27年7月15日～平成29年3月31日となっている。

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