キヤノン,小型部品の3次元認識が可能な3Dマシンビジョンシステムの新製品を発売

キヤノンは3Dマシンビジョンシステムの新製品として,小型部品の3次元認識が可能な「RV300/RV500」の2機種を発売した(ニュースリリース)。



同社は昨年4月に最小約45mm×45mmの部品を認識できるRV1100を上市し,自動車分野への導入実績を高めてきたが,今回小型部品に対応する3次元認識ニーズの高まりを受け,最小約10mm×10mm/最大(RV300)と同20mm×20mm(RV500)の部品サイズが認識できる3Dマシンビジョンシステムを製品化した。

これにより,自動車業界に加え,電気機器業界など小型部品を扱う生産ラインにおいても,導入が可能になるとしている。今回販売する2モデルは,部品を3次元認識してからロボットを制御するコントローラにデータを送信するまでの所要時間は約1.8秒となっている。

また,バラ積み部品の形状や位置情報を,同一の条件下で繰返し測定した場合,その測定結果の誤差はRV300が0.1mm以下,RV500が0.15mm以下となっている。計測範囲は,RV300が最大300mm(縦)×340mm(横)×100mm(高さ),RV500が最大540mm(縦)×540mm(横)×200mm(高さ)に対応する。

同社の3Dマシンビジョンシステムに共通するのは,CADデータを用いて複雑な部品認識を簡単に設定できるという点で,状態が異なるバラ積みされた部品の撮影を5回行なうだけで部品の見え方を,CGにより自動的に学習する検出方式を採用し,短時間で部品が登録できる。

加えて,計測距離データだけではなく,濃淡画像も同時に利用してCADデータをマッチングする新方式により,曲面のある部品や形状に特徴の少ない部品,複雑な構造の部品など,様々な部品に対して高精度奈3次元認識を可能にする。

同社によると,2014年の産業用ロボット向けマシンビジョン世界市場は,約27億5,000万円だったという。中でも,3Dマシンビジョンの市場は,生産ラインの自動化をさらに推進する自動車メーカや自動車部品メーカを始めとする様々な業種から要求されていることから,急速に拡大しているという。