オスラムの赤外LED,虹彩認証スマホに採用

独オスラムオプトセミコンダクターズは同社の赤外線LEDが,NTTドコモが販売する富士通製スマートフオンの虹彩認証デバイスの光源に採用されたと発表した(ニュースリリース)。

このデバイスは,赤外技術によりユーザの目の虹彩を読み取ることによってモバイル機器のロックを解除する機能を実現したもの。同社のLED「Oslux SFH 4780S」はコンパクトなパッケージで虹彩認証に必要な高出力を提供する唯一の製品となる。

この赤外線LEDは,高さ2.4mmで,標準放射強度 2900mW/srを達成している。これは現在,この赤外LEDのみが実現できるサイズと出力の組合せだとしている。これにより,コンパクトで信頼性の高いモバイル機器用虹彩認証を初めて実現した。

このLEDの波長は810nm。そのため,虹彩認証は茶,青,緑,灰色などあらゆる眼の色の虹彩パターンを,高度な信頼性で認識できる。また,この光源は効率が高く,モバイル機器のバッテリーの無駄な消耗もない。

携帯電話とタブレットコンピューターの安全なロック解除方法は,これらのデバイスのオンラインバンキングやオンラインショッピング等,機密性を持ったアプリケーションの使用増加に伴い,ますます重要度を増している。

そのため,メーカは生体認証への志向をさらに強めている。多くのメーカは指紋認証に加えて,現在は虹彩認証を検討しており,そのロック解除は眼に赤外光の照射を行ない,同時にスマートフオンに搭載されたカメラが虹彩画像を撮影し,その特性を識別する。

同社はこの赤外LEDの開発が評価され,2015年度の Kaiser Friedrich(カイザーフリードリッヒ)研究賞が授与されている。