東芝ら,福島第一原発向け調査ロボットを開発

東芝と技術研究組合国際廃炉研究開発機構(IRID)は,福島第一原子力発電所2号機の原子炉格納容器内の状況を把握する調査のための小型ロボットを開発した(ニュースリリース)。

7月に操作訓練を実施し,8月中を目途に現場投入される計画。

福島第一原子力発電所の2号機では,燃料デブリの取り出し手順や工法を検討するため,燃料デブリの分布状況の確認が求められている。

新開発したロボットを活用した調査は,次年度以降の原子炉格納容器底部付近の調査に向け,原子炉格納容器内でプラットホーム上の落下物や損傷の有無,状態などを確認するとともに,原子炉格納容器底部付近へのアクセスルートの状態を確認することを目的としている。

新開発したロボットは,2台のカメラやLEDライト,放射線量計,温度計を搭載した長さ約54cm,幅約9cm,高さ約9cmの小型ロボット。有線ケーブルで遠隔操作され,直径約10cm程度のパイプの中を通りぬけて格納容器内に進入する。

ロボット後方にはLEDライトとカメラを搭載しており,格納容器の中心付近ではロボットの後方をサソリの尾のように反りあがらせ,LEDライトで周辺を明るく照らすことによって,暗闇や霧の中でも広範囲の撮影が可能となる。また,走行中に倒れても,自力で復帰可能な機構を搭載した。

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