ソニー,BD技術で全国発明表彰「恩賜発明賞」を受賞

ソニーは,「ブルーレイディスクの基本構造と製法の発明」(0.1mmカバー層の規格に関連する特許)で,発明協会主催による平成23年度全国発明表彰において最高位の賞である「恩賜発明賞」を受賞した(ニュースリリース)。

今回の受賞は,ハイビジョン映像を光ディスクに記録するために規格としてまとめられたブルーレイディスク方式のディスク構造の基本特許であり,この発明をもとにブルーレイディスクの量産化を実現し,ハイビジョン録画媒体,映画音楽ソフト,ゲーム等を通じ,全世界に広く普及させたことが高く評価されたもの。

この発明は,従来の赤色のレーザを使用するDVDに比べ,約5倍の情報を記録するため,青紫色のレーザを使用し,レーザがつくる約5分の1の記録ピットサイズを実現するため,カバー層を0.1mmの厚さにしたことで,ディスク表面のわずかなゆがみにも強く,屈折した光が正確に焦点を結べるようになった。また,この構造のディスクを製造するため,樹脂のカバー層にスピンコートを応用して,量産化を実現した製法についても含まれている。

全国発明表彰は,大正8年,日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に始まり,以来,日本を代表する幾多の研究者・科学者の功績を顕彰している。「恩賜発明賞」は,皇室からの御下賜金を拝受して行なう全国発明表彰の象徴的な賞として,最も優秀と認められる発明等の完成者に贈呈される。