NTTエレクトロニクス(NEL)は,データセンタ間トラヒックの急伸を支える100G波長多重(WDM)光ファイバ通信システムの本格普及に向けた,第2世代の低消費電力デジタル信号処理LSI「NLD0640」の量産出荷を開始した(ニュースリリース)。
この製品は,国内外15社向けに既に数千個が出荷され,光モジュールや光システムのアップグレードや小型化に貢献している。複数社の100Gプラガブル光トランシーバと接続動作も確認されており,100Gコヒーレント技術のメトロネットワークへの展開が期待される。
「NLD0640」は,100ギガビットEthernet(100GE)トランスポンダ機能を内蔵し,2,000km超まで届く長距離光伝送ラインカード用途に加えて,最小電力の80km ZRトランシーバや,電力が最適化された1,200kmまでのメトロ向けトランスポンダなど,幅広いアプリケーションをカバーする。
また,送受信それぞれにデジタル・イコライザを備え,小型100Gアナログコヒーレント光トランシーバ(CFP2-ACO)のプラガブル・コネクタ部分での電気信号歪みを補償することもできる。米国Broadcom社との提携にもとづく最初の成果であり,業界初の20nmコヒーレントDSP製品として,昨年9月にサンプル出荷を開始している。
この製品は,業界をリードしてきたNELの第1世代40nm DSP製品「NLD0629 Gen1 DSP」のコヒーレント光通信デジタル信号処理技術をベースに,Broadcom社の最先端20nm CMOSアナログ・デジタル混載技術も取り込でおり,高性能・低消費電力の高いレベルでの両立を実現したとしている。