三菱電機は,伝送速度100Gb/sの高速光通信で使用される送信用光源デバイスとして,広い温度範囲で動作する「25Gb/s光通信用DFBレーザ 」を開発した(ニュースリリース)。今回の開発により,25Gb/s光通信用レーザを4つ搭載する100Gb/s高速光通信機器の低消費電力化・高性能化・設計簡素化に貢献する。
今回,高速応答特性を損なうことなく,発光層に効率良く電流注入できる低容量電流狭窄層を開発した。従来製品に比べ,発光層への電流注入効率を約12%改善し,高温時(+85℃)でも10mW以上の高い光出力を実現した。高温動作可能によりデバイスの冷却が不要となり,光通信機器の低消費電力化に貢献する。さらに,合波時に生じる光損失を補うことができる高光出力の実現により,異なる4波長の25Gb/s DFBレーザ光を合波する100Gb/s光通信用集積型TOSAの高性能化に寄与する。
低容量電流狭窄層の開発とDFBレーザ部分の小型化(従来製品比75%縮小)により,広い動作温度範囲(-20℃~+85℃)で業界トップレベルの高品質な変調波形(マスクマージン:20%以上)を実現した。これによりレーザ駆動回路設計の調整が容易となり,光通信機器の設計簡素化に貢献するという。
同社は今後,光通信機器の高密度実装化・低消費電力化に対応するため,動作温度範囲のさらなる拡大と,電流から光への変換効率の向上を図るとしている。