島津製作所,クラス最高感度の分光蛍光光度計を発売

島津製作所は,クラス最高レベルの感度で安定した分析を可能にした分光蛍光光度計「RF-6000」を発売した(ニュースリリース)。価格は265万円~(ソフトウェア込み,税別)。

分光蛍光光度計は,ライフサイエンス,化学,環境,電気・電子など,様々な分野で用いられており,品質管理のようなルーチンの分析から先進的な研究開発まで,用途も多岐にわたる。そのため,感度や再現性といった分析の基本性能や操作性が重要であると同時に,多種多様なサンプルの分析に対応でき,拡張性にも優れた装置が求められている。

新製品は内部設計の最適化により,クラス最高レベルのS/N比350:1を実現し,前機種の2倍以上の感度で分析が可能。加えて,3次元測定のスピードも約3倍になった。オプションの微量測定用セルを利用すると,さらに低濃度かつ少量のサンプルも分析することができる。光源には,高い安定性を持つキセノンアークランプを搭載した。点灯寿命は前機種の約4倍となる2000時間程度まで延び,ランニングコストも低減する。

また,標準で測定できる波長範囲が広がり,前機種では測定ができなかった900nmまでの蛍光スペクトルを得ることができるようになった。従来から行なわれているクロロフィルの分析では,定量の下限値を前機種から1桁改善した。さらに,新しい分野に対応するアプリケーションをさらに充実させた。例えば,発光材料の効率評価のための量子収率・量子効率の測定や,人工光合成を解明するための試料回収可能な低温測定,食品などの産地判定手法の探索など,ルーチン分析から専門的な分析まで対応する。

新しい制御用ソフトウェアLabSolutions RFの導入により,一連の分析や装置の妥当性確認などをより簡単に行なうことが可能となった。ランプの点灯寿命の経過やオプションの認識状況,装置の動作状況などを常に表示できる。また,補正したスペクトルをリアルタイムで得られる機能も標準搭載し,他の分析装置で得たスペクトルとの比較がより正確に行なえるようになった。さらに,試料室の大きさが前機種の約1.5倍になった。さらに,搭載できるオプションの幅も広げている。