サンケン電気,UVを用いない超高演色LEDを開発

サンケン電気は,印刷,美術博物館,色検査用途として,光源に紫外線LEDを使用しないRa95以上の超高演色 直管型LEDを開発した(ニュースリリース)。


開発した超高演色LED(Ra95)

一般的な白色LED(Ra70)

Raチャートは円に近い


より自然光に近い光を出す高演色LEDは各社から発売されているが,特に高い演色性を持つタイプは,紫外LEDの光をRGBの蛍光体を介して白色光を得ている。そのため,紫外光によって照射対象が劣化する恐れがあるほか,LED自身の寿命も一般的なLEDと比べて短くなる傾向があった。

同社が今回開発したLEDは,光源に青色LEDを用いて白色光を得る。オリジナルの蛍光体レシピを用いることで,高い演色性と紫外線を含まない光を両立した。これにより一般的な白色LEDと同程度となる4万時間の寿命を実現している。

演色性は高演色LEDの中でも高いレベルを実現しており,色温度5000KにてRa95以上,各色ではR12(青色)以外が95以上となっている。白色LEDの弱点となるR9(赤色)もほぼ100近い数値を示しており,「これほど高い値を示すLEDはあまりない」(担当者)としている。

同社ではこの製品を早ければ今年の夏に製品化したいとしている。またLED製品は今後,この超高演色を始め,調光調色照明や黄色発光照明などの特殊照明用途に注力していくという。