日本電信電話(NTT)は,3次元の物体をどのような方向から撮影しても,高精度に立物体を認識・検索し,関連情報を提示する「アングルフリー物体検索技術」を開発した(ニュースリリース)。
この技術を活用すれば,スマートフォンやウェアラブルカメラを通じて,周囲の建物・史跡や店舗,商品などを高精度に認識し,観光コンテンツや店舗・商品情報などを提示できる。
立体物は撮影方向によって画像上の見え方が大きく変わるために,異なるカメラアングルで撮影して画像検索すると検索精度が低くなるという課題がある。また,検索精度を保つために1つの物体に対して100枚程度の画像を予めデータベースとして登録する必要があり,コスト面からも3次元物体の認識を活用したサービスの普及の障壁となっていた。
今回開発した「アングルフリー物体検索技術」では,画像特徴の重要度をその出現頻度に基づき統計的に推定する方法を用いることで,物体などの検索精度を大幅に向上させたほか,入力画像と参照画像の間の対応関係を正確に特定することにより,参照画像として事前にデータベースに用意する画像の数を従来の1/10程度まで大幅に削減することを可能とした。これにより,様々なカメラアングルで撮影された3次元の物体でも検索することが可能となる。
NTTは今後,この技術の実用化を進め,2020年までには,様々なパートナーとのコラボレーションを通じ,見知らぬ街を訪れる世界中の人々の移動や観光を支援するナビゲーションサービスを提供できるように取り組んでいく。
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