新エネルギー・産業技術総合開発機構主催による成果報告会『NODOフォーラム』が2015年2月12,13日の2日間,東京国際フォーラム(東京都千代田区)において開催された。
会期初日は榊原定征経団連会長と天野浩名古屋大学教授による特別講演が行なわれた。榊原氏は「日本の再生のカギは,イノベーションとグローバリゼーションにある」とのキーワードを挙げ,経済発展に向けて新たな基幹産業の育成が必要と語った。
新たな基幹産業として挙げたのは「IoT(Internet of things)」,「人工知能・ロボット」,「スマートシティ」,「バイオテクノロジー」,「海洋資源開発」,「航空・宇宙」の6つ。2030年には110兆円の産業を創出するとの見通しを示した。
来月発表される第5期科学技術基本計画には,これらの具体的な成長戦略が盛り込まれる予定だ。
天野氏は講演の中で,創光科学の親会社である日機装がこの7月から深紫外LEDの量産を開始することを明らかにした。また,GaNパワーデバイス実現に向けた取り組みも紹介。GaN基板はNEDOプロジェクトにおいて6インチサイズを実現している。現在安定生産に向け,豊田合成がNaフラックス法による製造プロセスを開発中だ。
「市販のGaN基板は企業ごとに品質にばらつきがあるため,これを標準化する技術が必要」と天野氏。講演の最後に「イノベーションはシーズによって生まれるが,産業化したときに成長を持続させていく取り組みが重要」と述べ,これを実現させる仕組みに対する支援に期待したいと語った。