住友電工,工場/オフィス/商業施設用ネットワークに適応させたFTTH配線ソリューションを開発

住友電工は,一般家庭に光ファイバを引き込むFTTHサービスで利用されてきた機器(GE-PON)や光幹線分岐などの工法を組み合わせ,工場,オフィス,商業施設などで<ネットワークインフラを構築できる配線ソリューション「SmartGP」を開発し,販売を開始した(ニュースリリース)。この製品により,簡単で,安く,断線時でも瞬時の復旧が可能なネットワークインフラを実現できる。

情報通信の高度化に伴い,工場,オフィス,商業施設などのネットワークインフラも,これまで以上に拡張性や柔軟性が求められている。一方で,それに伴い複雑化したネットワークの運用負荷軽減や運用コスト削減は,企業にとって大きな経営課題となっている。複雑化した従来のネットワーク配線方式(スター型配線)は以下の問題を抱えている。
•ネットワーク障害時,原因の切り分けに時間を要する。
•ネットワーク障害時,波及範囲が拡大しやすい。
•構成機器が多く,管理が困難。
•ネットワーク増設工事が高価。
•ケーブル配線によるシステムバックアップが難しい。

今回,同社が開発した配線ソリューションはこれらの問題を解決する。変化を続けるネットワークインフラとして,シンプルで柔軟な運用が実現できる。

この製品は,構成機器はGE-PON OLTとONUだけのシンプルな構成で,ネットワーク障害時の切り分けも簡単で,クロージャによる幹線分岐のため,機器収容スペース,温度管理,電源管理が不要となっている。また,FTTHに使われている機器(センター側:GE-PON OLT光ポート用SFPモジュール/端末側:ONU)を使用のため,ネットワーク増設時の機器が安価に済む。GE-PON OLTは光ポートの分岐が可能(帯域は1Gb/sを分岐数でシェア)。分岐している場合,増設時に必要な機器はONUだけ。

さらに,幹線(トランク)側はクロージャを設置し,支線(ブランチ)側はドロップケーブルを配線するだけで増設が容易に可能。増設時の工期を短縮する。幹線をループ状結線にする事により,左右別ルート(ケーブル配線の二重化)を確保した。ケーブル断線時でも,自動的に経路が切り替わる事により瞬時の通信復旧が可能。システム停止時間を短縮する。