量子ドット製造の米クァンタム マテリアルズは,コンシューマー・エレクトロニクス分野の先行企業数社に対し製品評価向けに量産可能なカドミウムフリー量子ドット製品のサンプル出荷を開始したと発表した(ニュースリリース)。
同社ではエレクトロニクス製品開発企業がコンシューマ・エレクトロニクス製品への有害物質使用を規制する環境基準への先行対応の一環として希望する,カドミウムフリー量子ドット製品の開発に注力してきた。量子ドットは業界標準の薄膜型ロール・ツー・ロール印刷技術や既存のLCDディスプレイ製造ラインで使用されている表面蒸着技術への適用が容易。
また,同社は量子ドット自動生成装置の導入,研究施設拡張,研究員増員への投資を継続する一方,カドミウムフリー量子ドットのサイズ均一性や製品安定性など製品特性の向上を実現。2015年の第二四半期には量子ドットやナノ粒子の年間生産量を2トン規模に引き上げると発表している。
業界ではカドミウムフリー量子ドット製品の安定供給が可能なリソースは限られており,世界で先行するディスプレイ製造企業やソリッド・ステート・ライティング製品開発企業よりその製品量産能力の検証に関して注目を集めている。
同社の量子ドット製品は低消費電力で環境適応型のLCD,UHDディスプレイ,次世代ソリッド・ステート・ライティング製品,太陽光発電アプリケーション,次世代型バッテリー,バイオメディカル・イメージング及び診断/治療アプリケーションなどの各種先進技術の基盤を担うものとなるとしている。