ソニーのテレビ事業を担う100%子会社,ソニービジュアルプロダクツ(SVP)は,同社液晶テレビ「ブラビア®」の商品力強化と新たな顧客価値の提案をめざし,テレビの本質的価値である画質の徹底追求と使い勝手の向上を実現するテレビの商品プラットフォームを新規開発し,2015年に順次発売する新しいラインアップで採用する(ニュースリリース)。
開発にあたっては,独自の差異化技術へのリソース集中と,業界のオープンプラットフォームの効率的な活用により,商品力強化と事業の収益性向上をあわせて図る。なお,新しい商品プラットフォームを採用したブラビアの性能や新機能については,米国で1月6日(米国現地時間)から開催される「2015 International CES」において,発表・展示を行なう。
新プラットフォームでは,既存のHDコンテンツに加え,より美しい4Kアップコンバート画質や,4Kネイティブ画質を実現するために,4Kラインアップに新たに4KプロセッサX1を導入する。新プロセッサは,高画質を支える,精細感,色域,コントラストの三大要素すべてを大幅に向上できる,総合的な画質エンハンスプロセッサとなる。
具体的には,画像解析によって入力される様々な映像信号の解像度などをより詳細に分析し,それぞれの信号の持つ情報量に合わせた最適な画質処理を行なう。4K画像に対しては,新たに搭載した独自の4K用データベースを用いた処理により,これまでにない精細感を実現する。また,4Kアップコンバート時にも,4K対応超解像エンジン「4K X-Reality® PRO」の能力を強化し,微細な図形をより正しく描写したり,ノイズ低減を向上させたりするなど,高品位の4K画質を実現する。
また,2013年から採用しているトリルミナス®ディスプレイの表示性能を余すところなく引き出せるよう,入力された画像の色相・明度・彩度をより詳細に分析してカラーマネジメントを行ない,すべての色に対して,より自然に近い深い色あいを再現する。
同社は2014年から,つややかな光の輝きを再現する高輝度新技術「X-tended Dynamic Range®(エクステンディッドダイナミックレンジ)」を導入している。この能力を最大限に発揮させるべく,信号のダイナミックレンジを広げる処理を効果的に行なうことで,さらなるきらめき感を実現する。
映像コンテンツが多様化する一方,スマートフォンやタブレットなど様々なモバイルによる映像視聴や様々なサービス,アプリの利用が加速している。今回,米GoogleのAndroid™が,スマートフォンからテレビやスマートウェアなどへも対応カテゴリーを拡大することに合わせ,ブラビアでその最新プラットフォームを採用することにより,テレビとモバイル機器のこれまでにないシームレスな連携を実現する。
今後SVPでは,外部リソースを活用できる分野で業界横断的なオープンプラットフォームを効率的に採り入れる。これにより,社内のエンジニアリングリソースを,今回新たに発表した4KプロセッサX1やワンフリックエンタテインメントなど,ソニー独自の差異化技術の開発に集中することが可能になる。
具体的には,GoogleのAndroid OSの採用する。同時にソニー独自の画質アルゴリズムを盛り込んだシステムLSIの開発については,半導体(SoC:System on a Chip)の実装設計を、業界大手の半導体開発メーカ,台湾メディアテックとの協業で行なっている。これにより最先端の半導体プラットフォームを活用した次世代テレビの開発サイクルを短縮するとともに,スケールメリットを生かした調達を実現し,コスト競争力を向上させるとしている。