大日本印刷(DNP)は,開口部にレーザカット加工を施して段差をつけることで開閉を容易にしたチャック付「段差レーザーカットパウチ」を開発し,本格的な販売を開始した(ニュースリリース)。
チャック付きパウチは,開封後も何度も封をして保存できるという利便性から,菓子・食品・医薬品などのさまざまな用途で使われている。しかし再開封時に,2枚のフィルムが密着してしまい,開けづらいことが課題にあった。特に高齢者は,指先が滑りやすく,細かな開封作業が負担となることなど,開口部をつまみやすくしたいというニーズがあった。
DNPでは,多くの人にとっての使いやすさを提供する“ユニバーサルデザイン”に積極的に取り組んでおり,今回このニーズに対し,チャック付パウチの開閉を容易にする「段差レーザーカットパウチ」を開発した。
段差レーザーカットパウチは,商品購入後最初に開封すると,表側のフィルムが細長い楕円状に,裏側のフィルムが直線の形状で切れるため、2枚のフィルムに段差ができる。これまでのチャック付パウチは,表も裏も同様に直線的に切れる様になっていたが,逆転の発想で段差をつけたことによって指先でつまみやすくなり,従来よりも容易に再開封することができる。
今回,最適なフィルム選定と,安定した製造が可能な開けやすい段差形状の設計,レーザカット加工技術の確立を実現した。同社はこれらの発明に関する特許を取得している。
段差レーザーカットパウチはさまざまな用途や袋の形状に対応できる。内容物の保護やフィルムの引き裂き易さなどに留意し,表面の基材にPETフィルムを,バリア層にアルミ箔を使用している。