ロームは,スマートフォンやタブレットPCなどのディスプレイ搭載機器向けに,周囲光のRGB成分,色温度や照度を検知するカラーセンサ「BH1745NUC」を開発した。既に300円/個でサンプル出荷を開始しているが,2015年4月から月産50万個体制で量産を始める予定という(ニュースリリース)。
近年,周囲のRGB成分を分析して自動でディスプレイ画像を調整したり,照度に応じてディスプレイのバックライトを調光するために,スマートフォンやタブレットPCなどのディスプレイ搭載機器にカラーセンサの導入が始まっている。
従来のカラーセンサはRGBなどの可視光をしっかりと検知するため,透明の光学窓が使用されていた。デザイン性の高まりを受け,筐体に合う暗い光学窓が求められるようになってきたが,暗い光学窓を使用した場合,可視光を通しにくくなることで,可視光の情報が赤外線の情報に埋もれてしまい,正確な色味を検知できなくなるという課題があった。
今回,これらの課題を解決し,独自の赤外線除去技術と演算方式など,長年培ってきた光センサ開発のノウハウを駆使し,暗い光学窓にも適用できるものとした。主な仕様は電源電圧範囲が2.3~3.6V,最高感度が0.005 lx/step,動作時消費電流が130μA(Typ),パワーダウン時消費電流が0.8μA(Typ),動作温度範囲が-40~+85℃。量産拠点は前工程がローム本社(京都市),後工程がROHM Electronics Philippines Inc. (フィリピン)となる。