四国計測工業ら,超高輝度・大光量の省エネ型LED照明の開発に成功

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトにおいて,四国計測工業,STEQ,鹿児島大学の共同グループは,Ra80以上の高演色型の超高輝度・大光量のLED照明を開発した(ニュースリリース)。

現在,高天井照明や投光器として高輝度・大光量照明の高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプ(HIDランプ)照明が多く使用されているが,一層の省エネルギー化や水銀条約による高圧水銀ランプの使用制限などを背景に,LED化が急務となっている。LED化にあたり,LED照明の高輝度化については,発光部が高温になり,寿命の低下や発光効率の低下を招くことが課題となっていた。

共同グループが開発したLED照明は,単一面光源による照明としては,定格光束563,200lm~68,000lmで世界最高クラス。新たに開発した技術により,LEDの集積率を高めると共に放熱を強化して大光量・長寿命と省エネルギーを同時に達成した。

今回,熱伝導に優れた基板を用いてCOBからの熱伝導性を高めるとともに,その熱を効率的に放熱させるヒートシンクを開発したことにより,発光部の放熱性が改善し大光量で高輝度化が可能となった。

従来の高輝度・大光量照明として利用されている高輝度放電ランプ(HIDランプ)照明と比較して,投光器は約53%の省電力で同等の照度を達成でき,また,高天井照明では64%の省電力で同等の照度を達成できるなど,Ra80以上の高演色でありながら大幅な省エネルギーを実現するとしている。

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