大阪大学は,特定のイオンに応答して,分子認識に基づく選択的な接着能を発現する機能性ゲルを開発した(ニュースリリース) 。
既存の接着性材料の多くは,様々な表面に対して,接触した瞬間に接着力を示す。望まない接着を防ぐには,特定の条件下でのみ,狙った対象と作用することが求められる。今回開発した高分子ヒドロゲル(CD-bpy gel)は,分子認識能を持つ環状多糖であるシクロデキストリン(CD)と,金属イオンと反応するビピリジル(bpy)とが共に組み込まれている。
このCD-bpy gelは,CDの分子認識に基づく表面選択的な接着能を,金属イオンに応答して発現する。さらに,イオンの種類に応じて接着特性をコントロールすることができる。
この研究は,ホスト-ゲスト相互作用 による化学選択的な接着を,金属イオンという別の独立した化学刺激によって制御した世界で初めての成果。モノとモノの結合を精密にコントロールする新たな手法として,ソフトロボティクスやバイオマテリアルなど,様々な分野での応用が期待されるとしている。
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