NEDO,米と災害対応ロボットシステムの研究開発・実証プロジェクトを開始

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,経済産業省と米国国防総省の合意に基づき,同省の国防高等研究計画局(DARPA)と共同で,日本のロボット技術を活用した災害対応ロボットシステムの研究開発・実証プロジェクトを開始した(ニュースリリース)。

この事業では,我が国のロボット技術を核とするロボットシステムの開発,実証を海外と協力して行なうことにより,我が国のロボットシステムの普及や国際的な地歩の確立等を目指す。また,国内外における災害ロボットの安全性等に関する基準,適合性評価体制の整備等を目指す取り組みと連携を図ることにより,我が国ロボットシステムに係わる産業競争力の強化に資することも目指す。

具体的な研究開発項目は以下のとおり。また,下記3つのカテゴリーに関して,その成果を広く一般に公表することを最終目的とし,例えば国際ロボット展等の実演会への参加等も予定している。事業実施期間は2014年度~2015年度,総事業費は4.2億円(予定)。

(1) 災害対応ロボットの開発・実証
ⅰ)日本版バーチャルロボティクスチャレンジ(仮称)への参加ロボットチャレンジのタスク(下記(3)で開発)に沿って,災害対応ロボットの開発を行なうとともに,シミュレータ上での競技会(日本版バーチャルロボティクスチャレンジ「JVRC」。2015年度末迄に日本国内で開催予定。)に参加し,成果を実証する。ⅱ)DARPAロボティクスチャレンジへの参加中間目標として次回DARPAロボティクスチャレンジ(以下「DRC」。2015年6月開催予定。)に参加することも念頭に,災害対応ロボットの開発を行なう。ⅲ)日本国内での実演会への参加本事業の成果を広く一般に公表するため,日本国内でロボット関連の実演会を開催する(2015年度第3四半期頃の開催を予定)。実演会に参加するロボットは,自ら開発したソフトで実演することのほか,JVRC優秀者のソフトと連携して実演することも念頭に入れた開発を行なう。

(2) シミュレータ開発
ロボット開発・実証(上記(1))の設計支援が可能なシミュレータ開発を,RTM(ロボット・テクノロジー・ミドルウェア)を活用しつつ行なう。開発にあたっては,DRCで使用されるシミュレータ(Gazebo)との互換性を強化した後,アメリカ側主催者(DOD,DARPA等)と共同で双方のシミュレータの精度向上に必要な研究開発を行なう。また,シミュレータをWeb上に公開し(2014年度末迄),2015年度末迄(第2四半期頃を予定)にJVRC参加予定者にシミュレータを提供するとともに,JVRCを開催することも本開発に伴う事業内容としている。

(3) 性能評価手法の開発(タスク開発)
DRCタスクの開発(前回タスクのブラッシュアップ)について,将来的な災害対応ロボットの性能評価にも資するよう米国(DOD,DARPA等)と共同で行なう。またJVRCで利用するタスクも開発する。

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