ソニー,スマホ向け積層型CMOSイメージセンサの生産能力を増強


ソニーは,ソニーセミコンダクタ 長崎テクノロジーセンター(長崎テック)と熊本テクノロジーセンター(熊本テック)において,積層型CMOSイメージセンサの生産能力の増強を目的とした設備投資を,2014年度下期から2015年度上期にかけて実施すると発表した(ニュースリリース)。

今回の設備投資は,主に,積層型CMOSイメージセンサに関する重ね合わせ工程及びそれ以後の工程を長崎テックで行なうための製造設備の増強に充てられるとともに,マスター工程(イメージセンサのフォトダイオード製造や配線工程)を熊本テックで行なうための製造設備の増強に充てられる。

ソニーは,主に積層型CMOSイメージセンサのマスター工程を行う拠点として,山形テクノロジーセンター(山形テック)の新設及び設備投資を2014年1月29日に発表した。今回の設備投資により,山形テックでマスター工程を行う半導体チップの一部について,それ以後の必要な工程(重ね合わせ工程を含む)を長崎テックで行なえるようになり,積層型CMOSイメージセンサーとしての一貫した生産体制を構築できる。

今回の設備投資は,同社のイメージセンサの総生産能力を約75,000枚/月に増強する中長期的な施策の一環で,これにより,現在の約60,000枚/月から2015年8月時点で約68,000枚/月まで増強される。

積層型CMOSイメージセンサは,高画質化と高機能化,小型化を実現できるため,スマートフォンやタブレットなど拡大するモバイル機器市場において,今後さらなる需要増が見込まれている。同社は,今回の投資を通じて,イメージセンサ事業におけるリーディングポジションを確固たるものにしたいとしている。

今回の設備投資の総額は約350億円を見込んでおり,その内訳は,2014年度実施予定が約90億円(長崎テック:約30億円,熊本テック:約60億円),2015年度実施予定が約260億円(長崎テック)。このうち,2014年度の実施予定分(約90億円)は,2014年5月14日に発表した今期の半導体の設備投資見込額(650億円)に含まれている。

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