昭和電工の子会社,昭和電工セラミックスが開発した高機能光触媒「ルミレッシュ」が,テント構造物のトップメーカの太陽工業が販売する新たなテント膜材に採用された(ニュースリリース)。採用が決定したのは,抗菌・抗ウイルス機能をもつ屋内用膜材「ヒカリプロテクスタイル」で,2015年1月の販売が予定されている。
ルミレッシュは,2007年~2012年に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施した「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」の成果として,昭和電工セラミックスが開発した可視光応答型光触媒。2012年に実用化の目途が立ち,量産化の検討を進めていたが,今回,初めて製品として採用された。
従来の光触媒は,太陽光に多く含まれる紫外光により効果を発揮するが,ルミレッシュは屋内の蛍光灯などの弱いエネルギー光でも菌やウイルスを不活化させることが確認されている。
可視光応答型光触媒の量産化により,光触媒の用途は従来の外装のみならず,病院・学校などの公共施設や生活空間などの内装からさらには環境清浄化システムへと拡大し,関連市場は約2兆8,000億円の規模になると試算されている。
特にルミレッシュの抗ウイルス性能は,インフルエンザウイルスやノロウイルスなどの感染リスクを低減するとしている。