北海道大学は,東北大学と共同開発した超小型地球観測衛星「雷神2」が,搭載された高解像度多波長望遠鏡システム(HPT)を用いて地表のカラー撮影に成功したと発表した(ニュースリリース)。
今回,梅雨の晴れ間の日本列島を捉えて,HPTを用い,地表の高解像度カラー画像(RGBの3色画像)を撮影した。場所は新潟県南部の南魚沼市の一部,約2.2km×3.2kmの範囲。地表での空間解像度は当初目標としていた約5mを達成し,重量50kgクラスの超小型衛星としては,最高の性能を更新した。こうした成果は,HPTの優れたセンサ技術と衛星バスシステムの高度な制御がかみ合うことによって達成されたもの。
今後は実用性の高い観測を行なうため,より高度な衛星姿勢制御法法の確立を目指して運用を行なうとしている。また,波長選択が可能な宇宙用液晶フィルタを用いたスペクトル撮影にも挑戦するとし,これが成功すれば,大型衛星に匹敵する高解像度のスペクトル計測の手段を得ることができる。