富士通の手のひら静脈認証装置,住基ネットの職員認証に採用

富士通は,同社の手のひら静脈認証装置「FUJITSU 生体認証 PalmSecure(パームセキュア)」を,地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運用管理する住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の「操作者認証用照合情報読取装置」として提供する(プレスリリース)。J-LISは,2013年10月に,全国の地方公共団体(約1,800団体)と行政機関へこの装置の導入を開始しており,本年7月より全面的に利用する予定。

J-LISは,さらなるセキュリティ強化を目的として生体認証の導入を決定した。指紋認証に比べて静脈認証は認証精度が高く,偽造が困難であるとされている。採用されたのは,手のひら静脈認証装置「PalmSecure」。「操作者認証用照合情報読取装置」として使われる。

また,富士通は「PalmSecure」での操作者認証と連動したシステムへのログインを可能にするため,PCログオン認証ソフトウェア「PalmSecure LOGONDIRECTOR(ログオンディレクター)」をベースとした専用ソフトウェアを開発した。これにより,操作者は,IDを入力して手のひらを「操作者認証用照合情報読取装置」にかざすだけで住基ネット端末にログインできるようになる。また,ICカードが不要となるため紛失・盗難などによる不正ログインのリスクが低減され,ICカードの発行や管理などの業務が不要となる。

「非接触型 手のひら静脈認証」の原理は,静脈認証装置から離れた位置にある手のひらに近赤外線光を照射すると,皮下組織にある静脈中の還元ヘモグロビンが近赤外線を吸収して黒く映し出される。この網目のように見える静脈の模様(静脈パターン)から静脈地図を作成して事前に登録する。静脈パターンは人によってまったく異なるため,登録しておいた静脈パターンと比較照合することで本人認証を行なうというもの。

同社の「非接触型 手のひら静脈認証」は生体情報であり,偽造が困難。また指や手の甲の静脈に比べ,複雑かつ安定しており,本人拒否率0.01%,他人受入率0.00008%以下という高い認証精度と誇るとしている。