IHS Technology は4月23日「2013 年 世界半導体マーケットシェア・ランキング(確定値) 」を発表した(同社ホームページ)。
2013 年に拍車をかけた、第 4 四半期の成長
それによると,2013 年はメモリビジネスの好調もあり 2012 年対前年比 5.0%の増加であった。2013 年の半導体市場は 3, 181 億ドルであった。2012 年の半導体売上は 3, 031億ドル,2011 年の売上高は 3, 106 億ドルだった為,2013 年は再び成長軌道に入った。この確定値は IHS の12 月の見通し通りであり,2013 年第 4 四半期(10-12 月期)は,前年同期比で 7.6%増であった。
トップ 25 社の売上は 2,253 億ドルで,世界半導体売上全体の71%を占め,2012 年の69%より増加した。世界第 1 位は,世界半導体売上の約 15%(470 億ドル)を占めた Intel。
「メモリビジネスが 2013 年世界半導体市場拡大の鍵であった。」と IHS シニアディレクターの Dale Ford はコメント。「メモリビジネスの中でも、DRAM が対前年比 32.5%増と拡大した。需要と供給のバランスが安定し堅調な成長をした為である。NAND Flash Memory も,スマートホンやタブレットの影響で対前年比 24.2%増と拡大した。」と述べている。
勝ち組デバイス
メモリビジネス以外で特に成長したデバイスは,ワイアレス用 Logic ASSP が 15.3%増,同じくワイアレス用Analog ASSP も 13.5%と増加した。またオートモーティブ用 Logic ASSP が 14.0%増,そしてオートモーティブ用 Analog ASSP と ASIC も 8.1%と増加した。Smart カードや IC カード向けの MCU も 12.5%と増加した。
アプリケーション別で見ると,ワイアレスアプリケーション市場向けは 13.1%増加,産業向けアプリケーション市場向けは 9.4%増加,オートモーティブ市場向けは 5.7%増加した。
好調なメモリビジネス
メモリビジネスの好調により,アイダホ州に本社を置くマイクロン・テクノロジ社は,既存ビジネスが成長したことに加えエルピーダの買収により,2013 年は対前年比 108.5%増となり,2012 年の 10 位から 2013 年は 4 位に順位を上げた。
同じくメモリビジネスの拡大で恩恵を受けた韓国の SK Hynix 社は,対前年比 42.8%増により 2012 年の 7 位から 2013 年は 5 位に順位を上げた。
トップ 25 社の中で,米国のクアルコム社と台湾のメディアテック社は,スマートホン等のワイアレスアプリケーション市場で大きく伸びた。クアルコム社は,対前年比 30.6%増で 2012 年に引き続き 3 位を維持し,メディアテック社は,対前年比 36.1%増により 14 位にランクインした。
オランダの NXP 社も同様に 13.7%増と売上を伸ばした。また,米国のアバゴ・テクノロジ社,ザイリンクス社は対前年比それぞれ 9.2%,4.6%増とし,2012 年のトップ 25 外からランクインをした。
一方,2013 年日本の半導体メーカは苦戦を強いられた。ルネサス・エレクトロニクスは 13.7%減,ソニーは 27%減,ロームは 14.4%減と売上が対前年比で減少した。これによりルネサス・エレクトロニクスは,2012 年の 6 位から 2013 年は 10 位と 4 つランクを落とす結果となった。
アジア・パシフィック地域の大躍進
アジア・パシフィック地域に本社を置く半導体メーカ全体の売上は,対前年比 14.7%増となり,これは全半導体マーケットの 25.3%となった。アジア・パシフィックメーカの売上が,世界半導体市場全体の 25%を超えるのは初めて。
米国に本社を置く半導体メーカ全体の売上は,対前年比 8.7%と増加し,全半導体マーケットの 52.4%のシェアを占めた。
一方,日本に本社を置く半導体メーカ売上は,低迷が続き対前年比 17.9%減となった。