パナソニック溶接システム,高出力ダイレクトダイオードレーザを用いた溶接ロボットシステムを発売

パナソニック溶接システムは,高出力ダイレクトダイオードレーザを開発する米国TERADIODE Inc. と共同で,レーザ溶接ロボットシステム「LAPRISS(LAser Processing Robot Integrated System Solution)」を開発した(プレスリリース)。自動車車体溶接や自動車部品溶接などをターゲットに,4月23日より受注活動を開始している。

このシステムは,パナソニック溶接システムの保有するロボット技術・溶接技術と,TERADIODE社のWBC(Wavelength Beam Combining:波長合成)技術を用いた高出力ダイレクトダイオードレーザを搭載した,世界初のリモートレーザ溶接ロボットシステム。

WBCとは,米国MITリンカーン研究所で開発された波長合成技術で,多くの独立した外部共振レーザダイオードの出力を空間的に合成する。この技術により,出力ビーム品質を維持しながら,空間的に配列された複数のレーザエミッタ出力を合成することが可能となる。

WBCはファイバーレーザやディスクレーザに匹敵するビーム品質を持った高出力ビームが特長で,固体レーザやファイバーレーザのようにゲイン媒体を必要とせず,発振効率や耐もどり光特性にも優れているとしている。

スキャニングヘッドは,特殊光学系をロボットと同じACサーボモータで駆動する「トレパニングヘッド」を開発。小型・軽量で6kg可搬のロボットに搭載可能。制御装置もロボットのコントローラに内蔵しているため,システムの大幅な小型・省スペース化に貢献する。

「発振器」,「ロボット」,「スキャニングヘッド」など,リモートレーザ溶接に必要な全ての要素をひとつのシステムに統合したことで,専門知識の必要な機器の接続やインターフェースの合わせ込みといった,顧客側でのシステムインテグレート作業が不要となる。