ソーラーフロンティア,ニューヨーク州立大学とCIS太陽電池の共同研究開発/生産について検討

ソーラーフロンティアと,米国ニューヨーク州立大学ナノスケール理工学カレッジ(College of Nanoscale Science and Engineering:CNSE)は,米国ニューヨーク州バッファローにおいてCIS薄膜太陽電池モジュールの共同研究開発/生産を行なう可能性について,技術面および経済面での予備調査を実施することで覚書を締結した(プレスリリース)。

ソーラーフロンティアは現在すべてのパネルを日本で製造しているが,今回の提携は,日本の外に製造拠点を確立する計画実現への布石となるもの。

CNSEは教育,研究,開発,技術活用に取り組むグローバルな機関であり,ニューヨーク州における雇用創出や新興ハイテク産業の成長戦略に貢献している。2004年の設立以来,これまでの投資額は200億ドルを上回り,大学主導の研究機関として世界最先端の研究を行なっている。

また,ニューヨーク州ハーフムーンにあるCNSEの太陽光エネルギー開発センターには次世代のCIGS薄膜太陽電池の試作品製造用実証ラインがあり,業界団体の米国太陽光発電製造業コンソーシアム(PVMC)におけるCNSEの指導的地位を支えている。

ソーラーフロンティアは20年以上前からCIS技術の開発を続けており,CIS太陽電池のセル(0.5平方センチメートル)のエネルギー変換効率で世界最高となる20.9%を達成している。2007年に宮崎県で商業生産を開始し,2011年には年間生産能力900MWの国富工場が稼働を開始した。

最近では,中期経営計画の一環として150MW規模の東北工場の建設が進められており,今後の海外での生産設備のモデルとなると共に,最低水準の生産コストでさらに高い変換効率を持つCISの生産が期待されている。