DICは、主にスマートフォンやタブレット端末などに用いられるタッチパネルの貼り合わせに使用される、紫外線（UV）による2段硬化を特徴とするOCA用粘着剤（OCA＝Optical Clear Adhesive）を開発した。

近年、スマートフォンなどの薄型化が進む中、OCAに対する薄膜化の要求も年々高まってきている。一方、貼り合わせの対象となるタッチパネルには、額縁部を着色するためのインクによる段差が生じることから、この段差付近に気泡や埃が侵入しやすく歩留まり悪化の原因となっていた。

従来は、この課題を解決するために、OCAにある程度の厚みを持たせて段差に追従させてきましたが、全体としての薄型化が求められる中、OCAの薄膜化と段差追従性の両立が技術的課題となっていた。

今回開発されたものは、カバーガラスとの貼り合わせ時は、半硬化でやわらかいゴム状態であるため、薄膜であっても印刷段差に追従し、隙間をしっかりと充填することができる。対象に貼り合わせた後に、UV照射で完全硬化させることにより、薄膜でありながらも従来品同様の密着性を確保することができる。

従来のOCAは、段差の3倍以上の厚みが必要とされていたが、この開発品は業界最高水準の約2倍までの薄膜化が可能となり、これまで困難とされていた段差追従性との両立を可能にした。

詳しくはDICニュースリリースへ。