日本エアー・フィルターは,従来の集じんフィルタよりも大幅に繊維径が細く表面積の多いナノファイバ超極細繊維を用いることで,PM2.5などの粒子状物質を99.995%以上除去しつつ,消費電力についても従来のフィルタに比べ25%削減が可能な,集じんフィルタを開発した。
一般的な集じんフィルタは乾式ニードルパンチ法等で製作されるもので,更なる性能の向上が望まれていた。開発した製品は標準の集じんフィルタと比較して大幅に繊維径が細く,表面積の多いナノファイバ繊維を用いることにより,標準品より高集じん率を満たしながら,25%も低い圧力損失値を達成することに成功した。
ナノファイバは,新大型電界紡糸装置で製作される繊維径が50~500nmの高分子組成で,代表的特長である,「スリップフロー効果」による繊維ろ過抵抗削減効果を活用した。これは,ナノサイズでは分子や粒子の流体がナノファイバに接すると空気の速度がゼロにならない(繊維表面を滑る)現象。
ナノファイバをフィルタ基材に積層することで,「サブミクロン粉じん含めた微細粒子の高集じん率」を確保し,さらに粉じん払い落とし対応の為の特殊表面処理加工等を経て集じんフィルタとした。
今回,長期検証を実施した結果,現地のダストでも高集じん率を実現し,圧力損失は標準フィルターよりも25%削減を達成した。今後,2014年6月から日本エアー・フィルターの親会社である進和テックを販売総代理店として試験販売を開始し,鉄鋼関連産業,焼却炉,他関連産業を含めて拡販する。