旭硝子,温室効果を約6分の1に低減した新冷媒を開発

旭硝子は,従来の代替フロン冷媒HFC-410Aと同等の冷媒性能を持ちながら,温室効果を示す地球温暖化係数を約6分の1に抑えることが可能な空調機器向け新冷媒の開発に成功した。これはNEDOの高効率ノンフロン型空調機器技術の開発プロジェクトによるもの。

1

新冷媒は,GWP(Global Warming Potential:地球温暖化係数)が極めて低いHFO-1123を主成分とする環境対応型の混合冷媒。この冷媒は,現状製品化されている代替冷媒候補中最もGWPが低いHFC-32の約半分(従来のHFC-410Aの約6分の1)までGWPを抑えながら,従来と同等の冷媒性能を有しており,低GWPと省エネ性能の両立を実現する。

現在,空調機器や自動車などの冷媒に使用されているHFCはGWPが高く,欧州では既にHFC規制が始まっており,日本でも2015年から規制が開始される予定。さらに,国連においてもHFC規制が検討されている。ルームエアコンや業務用空調機器の分野ではHFC-32が一部で採用され始めているが,より低いGWP特性を持つ冷媒の開発が求められている。

旭硝子は引き続きNEDOのプロジェクトで,新冷媒を用いた実証試験や安全性評価などの実用化開発を進め,2016年の商業生産開始を目指すとしている。

詳しくはこちら。