総務省,複数ランナーの脈拍データを同時に集めるマルチホップ移動通信システムの実証実験に成功

総務省 東海総合通信局は,2月23日,愛知県犬山市で開催された第36回読売犬山ハーフマラソンにおいて,複数のランナーの脈拍データを同時に集めることが可能となるマルチホップ移動通信システムの実証実験に成功した。

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同省では,固定の無線通信装置間での使用に留まっているマルチホップセンサーネットワークを,移動する無線通信装置間でも使用できるようにするための調査検討会を開催している。 このネットワークは,複数の無線通信装置が隣接し合う他の無線通信装置を経由して,バケツリレーのようにデータを伝送していく通信方式で,送信出力が小さくても広い範囲での通信が可能になるとともに障害にも強い。

調査検討会で検討されている920MHz帯マルチホップ移動無線通信システムは,広い範囲のランナーの身体データを効率よく集めることができる無線通信方式であることから,今回,当該無線通信システムの試作機を走行中のランナーに装着して,実用状態での機能や通信性能について検証した。

実験は,7名のランナーが試作機を装着して実際に10kmコースを走った。 また,これとは別に3台の中継用試作機と無線基地局2局をコース上に配置。 ランナーのうち2名は腕時計型脈波センサで実際に測定した脈派データを,また他の5人は擬似脈波データを,各ランナーに装着した試作機から発信した。また,試作機にはGPSが内蔵されており,ランナーの位置情報も送信した。

最終的に,そのデータをランナー同士及び中継用試作機を経由して無線基地局まで伝送し,マラソン会場の計測地点で表示することが可能かどうかについて実証,これに成功した。

装置の重量は100グラム強,脈波センサも30グラムほどだが,実用化されれば,もっと小型軽量にできるものと考えられるとしている。

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