富士キメラ総研は,TVやタブレット,スマートフォン向けのバックライト,また照明器具,看板,表示器など,さまざまなアプリケーションの光源で活用されているLEDの関連市場を調査した。
■LEDパッケージの世界市場
それによると,2013年のLEDパッケージ市場は,数量ベースでは前年比11.8%増の2,367億個となった。有色LEDパッケージが50.7%を占めている。白色LEDパッケージの構成比は46.7%であるが,2014年には有色LEDパッケージを逆転するとみる。金額ベースでは同16.8%増の1兆5,729億円。白色LEDは単価が高いため金額ベースでは78.4%を占める。
白色LEDパッケージはLCDバックライト用,照明器具・光源用が中心。LCDバックライト用では,スマートフォンやタブレットの市場が拡大した。今後は照明器具・光源用の需要増加が期待される。同用途は日系メーカ,欧米系メーカが強い分野であるが,近年中国メーカも注力している。
有色LEDパッケージは,指示灯・スイッチ用,装飾・イルミネーション用が中心。また,2013年は中国における表示器市場が好調であった。一部の主力アプリケーションにおいて需要低下が懸念される一方で,家電用やOA・FA機器用などの新規需要の獲得が期待される。
2020年のLEDパッケージ市場は,数量ベースで2013年比2.0倍の4,790億個,金額ベースで同2.4倍の3兆7,588億円と予測。照明器具・光源用の白色LEDパッケージが単価は下がるものの数量ベースでは大幅に増加し,全体をけん引していくとしている。
■バックライト用LEDパッケージの世界市場
バックライト用LEDパッケージの2013年の市場は、前年比20.6%増の586億個。中小型LCD向けは,スマートフォンの大画面化により搭載個数が増えたことで全体的に需要は増加しており,スマートフォン市場の拡大に伴い,2014年以降も需要増加が期待できるという。
IT用LCD向けは,タブレットの急成長が他をカバーする。TV用LCD向けは,先進国向けの市場は伸び悩んでいるが,新興地域では2013年はプラス成長となった。ただし,LEDパッケージの搭載数量が少なくて済む直下型の比率が増えるため,需要は減少するとしている。
2014年以降は,TV用LCD向けやIT用LCD向けでセット機器の市場成長が鈍化するのに加え,バックライトユニット1台当りのLEDパッケージの搭載量が減少する。中小型LCD向けは引き続き市場拡大が期待されるものの,バックライト用LEDパッケージ市場全体では縮小が予測されるとした。
■LED照明器具・光源用LEDパッケージの世界市場
LED照明器具・光源用LEDパッケージの2013年の市場は,2012年比38.1%増の406億個となった。大半が白色LEDパッケージであり,出力は0.5W未満が7割以上を占めているが,徐々に高出力化する。一部で有色LEDパッケージも採用されている。
日本では先行して店舗用照明への導入が進み,現在は住宅用照明での需要が増加している。LEDダウンライト,LED電球,LEDシーリングライトなどの市場が伸びている。消費税増税前の駆け込み需要や電気料金の値上げの影響により,特に2013年後半から需要が増加している。
中国や欧米におけるLED照明は,先に屋外照明への導入が進み,現在は店舗用照明,オフィス用照明への導入が進んでいる。住宅用照明については今後の拡大が期待される。中国では,参入メーカが増加しており競争も激化している。
中国や欧米では電気代が安いためLEDへの関心が低い地域もみられるが,白熱電球の販売中止などにより,今後もLED照明の世界規模での拡大が期待される。それに伴い2020年のLED照明器具・光源用LEDパッケージの世界市場は2013年比6.5倍の2,627億個が予測されるとしている。
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