古河電工,光インタコネクション用レーザで500mの長距離伝送実証実験に成功

古河電気工業は,データセンターなどで用いられる光インターコネクション向けに25Gb/sで動作する面発光レーザを開発し,マルチモードファイバで最大500mの長距離伝送実証実験に成功した。

この実験は,米国Corning社とOFS社(古河電工の子会社)にて開発されたマルチモードファイバ,分散補償ファイバを用いて行なわれた。長距離伝送可能な光インターコネクション技術は,近年のデータセンターの大型化に伴って需要が高まることが予想されており,今後の導入につながる技術として期待されている。

ただ,将来のメガデータセンタでは300m以上の伝送距離が必要とされているものの,伝送速度を10Gb/sから高速な25Gb/sに変更した場合,マルチモードファイバの分散による影響により,VCSELの伝送距離は100m程度に留まっていた。

今回同社は,これらの課題を解決するために,新たに開発したVCSELと,駆動ICを実用状態に近い小型パッケージに集積した光モジュールを製作し,Corning社,OFS社が開発したマルチモードファイバとCorning社が開発した分散補償ファイバを用いて,500mの長距離伝送を達成した。

これらの結果は,クロック・データ再生や誤り訂正といった電気的な補償技術を一切用いずに得られたものであり,このように将来のシステムを複雑化することなく,高速化・長距離化できる技術として期待されている。

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