NTTデータエンジ,3Dプリンタを用いたイヤホン量産化に対し技術協力

NTTデータエンジニアリングシステムズは,国内オーディオメーカのファイナルオーディオデザイン事務所が2014年2月中旬に発売する,3Dプリンターによって製造されるチタン合金製筐体を用いたバランスドアーマチュア型イヤホン「final audio design LAB 01」開発の技術協力を行なったと発表した。

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発売するイヤホンは,NTTデータエンジニアリングシステムズのノウハウ,造形技術を生かすことで,世界初となるチタン合金製筺体の量産化を可能とし,かつ従来工法では不可能であった完全一体型形状を実現しているのが特長という。

ファイナルオーディオデザイン事務所は,3Dプリンターでしか作成できない複雑な形状を同社イヤホンに採用するため,3Dプリンターの弱点であった,精度と表面処理の品質を金型や切削加工等を用いた従来製法と同等以上に向上させるプロジェクトに取り組んできた。

NTTデータエンジニアリングシステムは,17年前から3Dプリンターの技術開発やノウハウ構築に取り組んできたが,ファイナルオーディオデザイン事務所の同プロジェクトに参画し,サポート構造体の最適化,精度を向上させる「造形法」の提案や表面処理品質を向上させるレーザ照射パラメータを開発し,提供してきた。

これにより,従来製法では製造不可能であった,チタン合金製完全一体型形状の筐体を持つイヤホンの量産化につなげた。開発にあたっては面精度の向上を図り,従来に比べ最大50%の面粗度改善を達成した。また,高級感を出すために不可欠な金属造形品の鏡面化については,レーザ照射パラメータの開発だけでは補いきれない部分もあり,より高い鏡面性を実現するため,プロポックスと共同で,金属積層造形物へ最適化した鏡面化ポストプロセスを構築した。

今回の開発では,金属積層造形品の量産品に求められる精度と表面処理の解決をテーマに取り組んだが,今後は,3Dプリンタの特徴である設計の自由度を活かして,3Dプリンタならではの機能形状(形状だけでなく機能も同時にプリントする)を追求し,イヤホンの最大価値である音質の向上に繋がるアプリケーション開発へと発展させ,技術協力を続けていくとしている。

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