堀場製作所は,米国Photon Technology International(PTI)社と蛍光分光分析事業の買収についての契約を締結した。
PTI社が持つ細胞内イオンの画像化技術などの独自技術と研究設備などの資産を譲り受け,堀場製作所が持つ蛍光分光技術と融合し,解析需要が高まっている生物医学分野において,iPS細胞などに代表される再生医療の実現に向けた研究や次世代医薬品,農業・食品分野への事業拡大を進める。
PTI社は,蛍光分光分析市場において,生物医学分野向けの細胞内イオンイメージングならびにその解析技術に強みを持っている。特に,細胞内イオン分布の観察に特徴ある製品を有し,操作性や拡張性の高さにおいても高い評価を得ている。カナダのWestern Ontario大学医学部に研究開発用のラボを所有しており,生物医学分野へのアクセスルートを多く保有している。
一方,堀場製作所は,ホリバ・ジョバンイボン社を1997年に買収し,近赤外線から紫外線を使った波長領域での分析技術を取得したことで,赤外線からγ線までの全波長域での製品ラインアップを揃えた。米国において蛍光分光光度計及び蛍光寿命測定装置の開発・生産・販売を行なっており,カーボンナノチューブやグラフェンなどの先端材料の評価用に国家研究機関や大学などに蛍光分光分析装置を提供。蛍光分光分析分野ではグローバルに15%のシェアを獲得している。
今回の買収により,急速に拡大が予想される生物医学分野のアプリケーションにおいて,PTI社が保有する4か国4拠点のネットワークを活用することで,蛍光分光分析市場でさらなるシェアの拡大を図り,5年後には,現有の蛍光分光事業と合わせて売上高45億円を目指す。
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