パナソニック,インバータに代わりマイクロ波を用いてパワーデバイスを制御するデバイスを開発

パナソニックは,マイクロ波を用いてパワーデバイスを制御する電力変換システムを世界で初めて開発し,半導体チップに集積化することに成功したと発表した。これは,入力する交流電力を振幅や周波数が異なる交流電力に変換して出力するマトリクスコンバータ 部と,マイクロ波で制御する駆動回路部から成る,2つの半導体チップからなるシステム。

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従来の電力変換システムに比べ大きさを1/100以下としたほか,窒化ガリウム(GaN)を用いた新しい回路構成により電力損失も低減した。

従来の電力変換システムであるインバータを用いたシステムは,“交流から直流”,“直流から交流”への変換回路などで構成されているため,10%近い大きな電力損失があった。また,パワーデバイスの絶縁ゲート駆動には,絶縁電源やフォトカプラを使用していたため半導体チップへの集積化が不可能だった。

今回の成果は,双方向型GaNパワーデバイスを用いたマトリクスコンバータ技術や, マイクロ波の非接触電力伝送で双方向型GaNパワーデバイスをON-OFFする,同社のマイクロ波駆動(Drive-by-microwave®)技術,GaNパワーデバイスとマイクロ波駆動回路の集積化技術によるもの。

従来のインバータは大きな部品で構成されるため,設置場所が限られていたが,半導体チップへの集積化によってモータとの一体化も可能となる。また,システムの寿命を制限する電解コンデンサなどの部品も不要となるためメンテナンスフリーを実現できるという。

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