三菱化学は,植物由来のイソソルバイドを原料とした高機能透明バイオエンプラ「DURABIO」 において,光学特性・耐熱性・耐湿性が優れた新グレードを開発した。この新グレードを,需要伸長が期待される「自動車搭載タッチパネル」用途に向けて,積極的に拡販していくという。
自動車に搭載されたタッチパネルは,主にエアコンやオーディオ,カーナビのコントローラーとして使われている。デザイン性が高く,美しい車内空間を実現できることから,採用事例が急速に増えており,今後も着実な成長が見込まれている。
ただ安全上の理由から,自動車搭載タッチパネルの前面板には,割れやすいガラスではなく,衝撃に強いポリカーボネートなどの透明樹脂が用いられている。しかし,ポリカーボネート樹脂には,透過する光が歪んでしまうため,タッチパネル表面の表示も歪んで見づらい,という欠点があり,これを解決する代替材料の開発が待たれていた。
今回開発した新グレードは,光学特性が高く,透過する光がほとんど歪まないため,タッチパネル表面の表示を見やすくすることができるという。
同社では黒崎事業所(福岡県北九州市)において,年産能力5,000トンの商業プラントで2012年秋より,DURABIO を生産しているが,自動車搭載タッチパネルなど,DURABIOの高い機能を活かした用途開発を積極的に行ない,2015年度までに年産能力を16,000トンに増強する予定としている。
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