矢野経済研究所では,車載ネットワーク用デバイスの世界市場について調査を実施した。車載ネットワークとは,自動車の電子機器を制御するために搭載されているECU(Electric Control Unit)がデータ通信をするために必要な技術で,伝送するデータの容量や制御機器に応じて通信プロトコルが使い分けられている。
この調査が示す車載ネットワーク用デバイスとは,車載ネットワーク向けに用いられるデバイスを指し,主にマイコン(MCU)やトランシーバなどが含まれる。また,乗用車および車両重量3.5t 以下の商用車に搭載されるデバイスを対象としている。
その結果,2013 年における車載ネットワーク用デバイスの世界市場規模は、2,192 億円(メーカ出荷金額べース)になる見込み。制御系別に内訳を見ると,パワートレイン614 億円,シャーシ247 億円,ボディ/コンフォート565 億円,パッシブセイフティ310 億円,アクティブセイフティ456 億円となっている。
2020 年における車載ネットワーク用デバイスの世界市場規模は4,648 億円(メーカ出荷金額ベース)になると予測。2013 年から2020 年までの年平均成長率(CAGR)は11.3%となる。主な成長要因としては,新興国市場における車両1 台あたりのECUの搭載数量増加,各種センサデバイスのインタフェイスのデジタル出力化などが挙げられる。
パワートレイン向け車載ネットワーク用デバイスの世界市場は,2013 年の614 億円から2020 年は1,567億円に成長と予測。車載ネットワーク市場全体でのパワートレイン向けが占める割合は,2013 年の28.0%から2020 年には33.7%に上昇する。2013 年から2020 年までの年平均成長率(CAGR)は14.3%となり,車載ネットワーク市場全体の同年平均成長率11.3%を上回るとしている。
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